スズキKei エアコンが効かない

温度設定をマックスコールドにして風量全開でエアコンの作動確認をしているところです。

エアコン使用時は吹き出し口から出てくる温度は36.8℃と熱風が出ていますので
炎天下で暑くなった室内は窓を開けて走行しても涼しくならず時間の経過とともにさらに
暑くなると危険です。
緊急時など必要に迫られてお車を使う場合などはエアコンオフでの使用をお勧めします。

上から見た感じでは回っているように見えるコンプレッサーを確認のために次に進みます。

エアコンゲージをセットしてガス圧を点検すると
上から見た感じではコンプレッサーが回っているようですが低圧および高圧のガス圧の
圧力差はほとんどありませんので次の点検に進みます。

右フロントタイヤとカバー外して確認するとやはりコンプレッサーは回っておりました。

さらに詳しく故障診断するためにはフロントバンパー取り外しから始めていきます。

マグネットクラッチ先端のプレートを手で回して確認すると
コンプレッサーは何の抵抗もなく軽く回りますのでコンプレッサーの圧縮不良が効かない
エアコンの故障原因でした。
エアコンの冷えが弱くなりガスのみを補充する工場も多く見かけられますが要注意です。
エアコンガスと同時にコンプレッサーオイルも漏れますのでオイルが少なくなったことで
潤滑不良でコンプレッサーが圧縮不良や焼き付きを起こしますから早期対応が必要です。

恐れていた嫌な予感は的中しました。
コンプレッサーから低圧および高圧パイプを外すとガスの通るところが黒ずんでキラキラと
画像からは見えづらいですが金属の粉らしきものが付着しておりました。

高圧パイプ内部も黒ずんでキラキラと金属の粉らしきものが付着しております。

コンデンサーの入り口も黒ずんでキラキラと金属の粉らしきものが付着しております。
故障診断の点検料は発生しますが
現時点ではエアコンを修理するか修理をやめるかはまだ後戻りができます。
修理見積もり金額と修理に必要な時間をお客様に連絡とり相談した結果は直すことになり
部品オーダーとともに作業開始です。

まずはコンプレッサーとコンデンサーの取り外しから作業開始です。

リビルトコンプレッサーが入荷して新旧のコンプレッサーです。

リビルトコンプレッサー取り付け完了です。

フィルターの役目をするレシーバータンクの新旧部品です。

レシーバータンク取り付け完了です。

エキスパンションバルブ（通称エキパン）は高圧側が黒ずんでおりますので交換です。

室内ユニットのほうは大丈夫ですので安心しました。

再使用可能な部品はエアコンクリーナー洗浄してできる限り再使用です。

エアコンコンデンサーの新旧部品です。
エアコンコンデンサーは洗浄ができませんので交換させていただきます。

ラジエーターとエアコンコンデンサーの間に入っている冷却風巻き込み防止スポンジが
経年劣化で脱落してなくなっておりましたのでスポンジの貼り付け作業中です。
電動ファンで吸い込む冷却風はラジエーターのフィンを通過することで冷却しますが
冷却風巻き込み防止スポンジがないと
電動ファンで冷却風を吸い込んでも両サイドから空気を吸い込みコンデンサーに冷却風が
通過しなくなるとコンデンサーが冷却不足を起こして
エアコンの冷えが弱くなる可能性がある重要なパーツになります。

エアコンコンデンサー取り付け完了です。

まだエアコンガスは充填していませんが今回のエアコン修理で交換した部品のすべてです。

エアコンの配管やエキスパンションバルブを組付け真空引きをしているところです。

外したすべての部品の組付けが終わり再度
温度設定をマックスコールドにして風量全開でエアコンの作動確認をしているところです。

エアコン吹き出し口から出てくる風はアイドリングで11.5５℃まで冷えるようになり今回は
想定以上に修理代はかかりましたが
ＨＮ２２Ｓ スズキ Kei ワークス エアコンが効かない修理は無事完成しました。
エアコンを修理していて思うのですがいつもと違った異音や異常が感じられたら早期発見と
すみやかな修理で無駄な修理代金を抑えることが可能かと思われます。