オイルパン 修理

エンジンオイルの出る量が少なくなってからオイルパンドレンホールを確認するとネジ山の
損傷ではなくネジ山がわずかに残っている状態だったので
お客様にその場で状況確認をしていただきオイルパンを修理するにも交換するにも時間が
かかりますので事情を説明して代車に乗って帰っていただきました。

通常ではアルミオイルパンのネジ山が損傷した場合にはオイルパンの交換になりますが
オイルパンを交換すると整備代金が高額になりますので
少しでも整備代金の節約の為にもアルミオイルパンドレンホールのネジ山をタップ加工で
修正（修復）をすることにしました。

現車のドレンボルト（左側）は１２ミリですがオイルパンドレンホール周辺に余裕が
有りますので１４ミリボルト（右側、常時在庫部品）に変更です。

オイルパンドレンホール修理＆加工用に使うＭ１３×１.５の１番タップとＭ１４×１.５の２番
タップとさらにＭ１４×１.５の３番タップ（仕上げタップ）のオイルパン修正用ネジ切りタップの
三本セットです。

タップでネジ切りする場合にはドレンホールの中心がずれないように
１２ミリのキリでエアドリル回転部分を手で回すような感覚でゆっくりと回しながら残っている
ネジをオイルパンの中に入らないようにして慎重に取り除いていきます。

オイルパンドレンホールにかすかに残っていたネジ山をきれいに取り除いて下穴が完成したら
今度は１番タップ（Ｍ１３×１.５）を使いネジ切りをしていきます。
１番タップは先端に傾斜が付けられ先端が細く出来ていますでドリルで開けた穴を簡単に
加工が出来ると同時に先端が細いので
切り込み始めなどに起こるタップの傾きも案外と簡単に修正できるタップです。

最初に、ドレンホールの中心から１番タップがずれなく傾かないように目（目視）で
傾きを確認しながらオイルパンの中へ切りくずが入らないように少しずつ時間をかけて
慎重に切り込んでいく１番重要で成功するか失敗するかの分かれ道でもあります。
（この状態までは傾きの修正は可能です）

１３ミリのネジ切りほぼ完成の状態です。

次にメインの１４ミリ２番タップを使ってネジを切り込んで行きます。
１２ミリからいきなり１４ミリにネジ切り加工すると加工が難しいのと同時にタップが傾いて
失敗する確率が高くなりますので
面倒でも失敗しないためにも一度１３ミリでネジ切り作業をおこなっております。

１４ミリの３番タップ（仕上げタップ）でネジ山をきれいに修正しているところです。

エンジンオイルパンの中にアルミの切削粉が入っていないか細いドライバーや布を
オイルパンのドレンホールから中に押し込んで
アルミの粉が入っていない事を確認してオイルパンドレンホールのネジ山（ネジ切り）が
修復されました。

念のために新品のエンジンオイルを注入してオイルで切削粉を流しだすような感覚で
アルミの切削粉がないことを確認しております。

オイルフィルター交換とエンジンオイルを規定量注入してから
エンジンを１５分間以上アイドリング運転をおこないながらエンジンオイルがドレンホールや
ガスケットから漏れだして来ない事を確認しております。
通常ではアルミオイルパンのネジ山が損傷した場合にはオイルパンの交換になりますが
オイルパンを交換せずに
少ない金額でオイルパンドレンホールのネジ山（ネジ切り）の修復が完成しました。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
アルミオイルパン ヒビ割れ修理もこちらからご覧下さい

日本車の自動車メーカー多くがエンジン本体はもちろんですがオイルパンまでもが
アルミ素材で出来た部品を使うようになってきました。
エンジンオイル交換などでオイルドレンボルトのガスケットを交換せずに、ドレンボルトから
エンジンオイル漏れでドレンボルトを締めすぎるとアルミオイルパンのネジ部分が損傷
しますので、締めすぎには要注意です。
アルミオイルパンのネジ部分の損傷やオイルパンにヒビなどが入ってお困りの方が
おられましたら気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

以上になりますが
アルミオイルパンのドレンホール修復例を最後まで読んでいただきありがとうございました。